ソラナ(Solana)の分散化に向けたバリデーターの取り組みとは?

ソラナ(Solana)の分散化に向けたバリデーターの取り組みとは?

ソラナ(Solana)の分散化に向けたバリデーターの取り組みとは?

ブロックチェーンは分散型のネットワークで、分散しているからこそ誰かが止めたり検閲したりすることが難しいという性質があります。ただ、ブロックチェーンだから全部分散している、完全に分散しているといえるわけではありません。ネットワークの安定的稼働はマイナーやバリデータが時には協力したり議論し、ファウンデーションがより分散したネットワークになるよう工夫することによって実現されています。

11月7日から10日の間に開かれたソラナのカンファレンスではサイドイベントとしてソラナの分散ネットワークに貢献するプレイヤーによるパネルディスカッションが催されました。

なにをどれくらい分散させたら十分に分散しているといえるのでしょうか?バリデータ同士はどのようなディスカッションをしているのでしょうか?

記事中では個々の発言のほとんどが要約してありますが、下記のパネリストが参加しました。

・Solanaファウンデーション:Dan Albert氏(以下、ダン)
・ステークフィッシュ:Daniel Hwang氏(以下、ダニエル)
・マリネードファイナンス:Michael Repetny氏(以下、マイケル)
・Block Logic 及び Validators.app:Brian Long氏(以下、ブライアン)
・Throback Labs:John Low氏(以下、ジョン)
・チェーンフロー:Chris Remus氏(以下、クリス)

そもそも分散しているかどうやって判断するの?

セッションは、中央集権化してしまっている状態とはどのような状態を指すのかという問いから始まります。これに対してパネリスト達からは、51%のハッシュパワーを持っていたり、3分の2以上の投票力を持っているプレーヤーがいることなどが挙げられました。またネットワークの妨害をしたい人がいた時、妨害をどの程度難しくすることができるかが中央集権化から遠ざかるために重要だという意見が出ました。

使われているクライアントの分散性や、インフラ、そしてどのような企業のサービスに依存してバリデータノードが運営されていいるかといった意味での分散性、クラウドやデータセンターなどでの分散性についても言及されています。

さらにブロックチェーンによって、分散やバリデーターが何を指すのかという点について理解や用語の使い方が違う点を指摘し、前提を揃えるためにターミノロジーについて話すことが大切だという意見も出ました。

#

ソラナ(Solana)は今はどの程度分散しているのか?

ソラナがどの程度分散できているのかというテーマに対しては、「ソラナのナカモト係数は19です、アバランチ(Avalanche)は21で一番大きいのではないでしょうか。でもソラナはナカモト係数19では満足していられません」というソラナのダンからのコメントからスタートしました。

ナカモト係数(namamoto coefficient)とは、あるブロックチェーンネットワークで悪さをするためには最低いくつのマイナーやバリデータが結託する必要があるかという指標です。ビットコインは4、イーサリアムは12程度と言われています。それぞれのブロックチェーンネットワークの分散度合いを数値化するためにBalaji S. Srinivasan氏によって提案された指標です。これだけを見ていれば良いというわけではありませんが、分散性の話をする際には比較しやすく数値で分かりやすいというメリットもあり、よく引き合いに出されます。

分散性を進めるためのステークプールとは?

よりネットワークを分散させるにはどうすれば良いかについては、ステークプールを運営するマリネードファイナンスのマイケルが、ユーザーにとってよりステーキングにアクセスしやすくしたいと述べています。

ステークプールは、ユーザーがデリゲートを通じてステーキングする際は信頼性やフィーなどを参考にしながらバリデータに対してステークしてきたと思いますが、ステークプールに対してステーキングするとプールを介して複数のバリデータをサポートすることができるようにするものです。またステーキングしている額と同量のトークンが代わりに手に入り(マリネードの場合はmSOL)、このトークンはステーキングをやめるときに引き換えトークンにもなり、またステークプールを使うとステーキングを終了する際のクールダウン期間も待つ必要はありません。さらにステーキングしながら資金をDeFiなどで効率的に活用することができます。

#

「ステークプールが小さなバリデータを支援するとしたら、大手のバリデータはどういう心境でいればいいのか?」「ステークプールの数が少ないならそれもそれでステークプールがコントロールする力を持っていることになるのでは?」という質問に対して、マリネードのマイケルはプールに集まったSOLをどこにステークするかはマリネードではなくDAOで決めるようにしたい、また既存の大手バリデータとの対話もしっかりするようにしていると回答しました。

マリネードのマイケルは「大手じゃなくて小さなバリデータを支援したい。新しくバリデータを始めた人は、条件を満たしていればマリネードからデリゲートを集められるし、ソラナを良くしたい人はマリネードについても考える。マリネードを改善すればソラナが良くなるサイクルを回しながらエコシステムの健全性を上げていきたい」と語っています。

分散化を推進するためのソラナファウンデーションの取り組み

また、ソラナファウンデーションが提供する分散化を支援するためのプログラムに言及するバリデータの声もありました。

#

ソラナ側の取り組みの一つはデリゲーションプログラムです。一定の要件を満たしているバリデータに対して25,000SOLをファウンデーションからデリゲーションし、さらに追加要件も満たしていればボーナスデリゲーションを受けられます。(満たさなくなったらデリゲーションは解除されます)

もう一つの取り組みとしてサーバープログラムというものがあります。バリデータになりたいと思った個人が、なるべく早く容易に必要なスペックを満たす環境を用意できるようにするための支援プログラムです。

ソラナのダンは上記のファウンデーションからの働きかけに加えて、「まだ詳細が決まっていないので大きな声では言ってないけれど、近い将来のアップグレードで投票にかかるトランザクションのフィーを下げたいと考えています。また、ファウンデーションはバリデータに必要な要件を満たすサーバーへのアクセスをコモディティ化させようとしています。特に小さなバリデータは交渉もしづらいはずなので、ハードウェアへのアクセスをより簡単にさせたいです」とも述べていました。

バリデーター、トークン保有者はそれぞれ分散化に向けて何かできるか?

分散化に向けてできることとしてバリデータ側からは、より健全なネットワークのために新しい人が入ってくれるように手を貸したい、そしてユーザにもはなるべくこのテーマに興味もってほしいとの声がありました。 

ソラナのダンは、「プロジェクトの立場からすると、ドキュメントを揃えることが重要だと思います。バリデータになるには知識の壁があるので、Linuxアドミンとしての10年の経験がなくてもできる中間地点ががあるはずで、そこにたどり着ける道を舗装したい」とコメント。

ステークフィッシュのダニエルは、「ステーキングプールの立場からすると、同業者同士、またデリゲータやコミュニティと積極的にコミュニケーションを取ることが大切だと思う。バリデータの中には、手数料を凄く安く設定して後から黙ってユーザーが気づかないように料金を上げるようなことをするバリデータもいるようだが、ガバナンスや健全な情報開示、そしてユーザーやエコシステムとの対話を大切にしたい」と締めくくりました。

【こんな記事も読まれています】
ソラナ(SOL)のステーキングに参加する方法【stakefish編】
人気急上昇中のPolygon(Maticトークン)ステーキング方法
イーサリアムのビーコンチェーンアップデート、アルタイルとは?

#

この記事はstakefishからコンテンツ協力を得て提供しています。stakefishは暗号資産ユーザー向けのステーキングサービスを提供しています。Ethereumをはじめとした様々なノード運用の実績を元にサービスを提供しており、ユーザーは秘密鍵を渡すことなくステーキングができます。stakefishによるステーキングサービスの詳細を知りたい方は是非下記のリンクをご参照ください。

参照:https://stake.fish/ja/

The post ソラナ(Solana)の分散化に向けたバリデーターの取り組みとは? first appeared on CoinChoice(コインチョイス).

続きを見る

コインチョイスカテゴリの最新記事