後発のIDOプラットフォーム、DAOLaunchが競合に勝る強み

後発のIDOプラットフォーム、DAOLaunchが競合に勝る強み

後発のIDOプラットフォーム、DAOLaunchが競合に勝る強み

この記事では日本人CEOが立ち上げたIDO(Initial DEX Offering:分散型取引所でのトークン販売)プラットフォームであるDAOLaunchの概要説明と考察を行います。DAOLaunchの概要を説明した前回の記事はこちらです。

2回目となる今回は、各機能をより掘り下げて分析します。トークンセール発行の仕組みやDVC-NFT(Decentralized Venture Capital-NFT)の仕組み、DALトークン、その他プロジェクトとの違いなどについて解説していきます。

結論から言うと、他のIDOプラットフォームにはないユニークな機能を取り揃えていますが、独自トークンである「DAL」の価値をいかに保っていくかがカギになると思われます。

またコインチョイスには日本人CEOの今山氏へのインタビュー記事もありますので、併せてご覧ください。

DVC-NFTの仕組み

DAOLaunchの特徴的な機能として、NFTを使った仕組みがあります。その一つがDVC-NFTです。DAOLaunchは従来の資金調達の仕組みの課題として、有望なプロジェクトへの初期投資が大手のベンチャー・キャピタル(VC:Venture Capital)や著名人に限られており、一般投資家は投資ができないという点をあげています。

その解決法として、DAOLaunchには「DVC-NFT」という投資記録のポートフォリオを作成・記録し、これを活用することで一般投資家もVCのように振舞うことができる機能を持ったNFTが使われます。

DAOLaunch内で購入したトークンは自動的にDVC-NFT内に保存されます。これにより投資の記録を全てNFT内に保存し、投資経験の多いVCのような記録をNFTを使って行うことができます。この記録と後述するVoting Power(投票力)を使って、DAOLaunch内でのよりよい投資条件をプロジェクト側に交渉する事ができます。他のIDOプラットフォームでは、独自トークンを購入することで当選の確率を上げるという方式が取られていましたが、DAOLaunchではVoting Powerが重要になってくると思われます。

また、下図のようにDVC-NFTにはトークンのポートフォリオや投資の記録が保存されていますが、DVC-NFT自体を取引することもできます。購入したトークンをロック期間中は売買できない通常のIDOやIEOと異なり、DAOLaunchの場合はDVC-NFTとまとめた形でロック中のトークンを売買したり、記録された投資経験の評価を他者に貸し与えるといったような使い方が可能です。

DALトークンの詳細

次にDALトークンの詳細を、配布割合と配布のスケジュール、用途の3つに焦点を当てて説明します。まず、トークンの詳細と配布スケジュールは次のようになっています。

  • トークン名:DAOLaunch
  • トークンシンボル:$ DAL
  • トークンタイプ:BEP-20(Binanceスマートチェーン)
  • 総供給量:6,000,000 DAL
  • 初期循環供給:283,014 DAL($ 283,014)
  • IEO/IDO価格:1ドル

そして、トークンの配布割合は下記のようになっています。

チームの所有割合が20%と他プロジェクトと比べると若干多いですが、15か月のロック期間後、さらに15か月間かけて線形に徐々の配布となっています。

そして、こちらがトークン配布のスケジュールです。

このグラフから考えられることとして「1.Seed」の箇所において、DAOLaunchがさまざまなVC(Venture Capital:投資ファンド)から投資を受けた際に、シード枠としてDALトークンを販売している可能性があります。シード枠のロック期間は少ないため、早い段階で売り圧が生じる可能性は考慮した方が良いかもしれません。

トークンの用途

トークンの用途は大きく下記の3点です。

  1. DVC-NFTの発行
  2. DALプールでのファーミング
  3. マーケティング的側面での使用

1の用途では、前述したDVC-NFTの発行の際に1DALを使用します。2の用途では、DAOLaunchが用意したプールでのファーミングにDALトークンを使います。下記は開発中のイメージ画像です。

これを見るとDALトークン単体でのファーミングや、他プールでのファーミングに用いたDAL-BNBのLP(Liquidity Provider:流動性提供をした証明)トークンを使ってファーミングを行っています。つまり、他プールでのファーミングを行いながら、さらにDALプールにLPトークンを入れることで2段階のファーミングが行うことが可能ということです。これにより、高い利回りが期待できます。

またDALプールでのファーミングでは、トークンではなく独自のポイントを得ることができます。このポイントをDALトークンや限定NFTに変換するかはユーザーが選ぶことができます。

DALトークンのプールでDALトークンを得る選択肢があることから、DALトークンの配布スピードによってはDALトークンの値動きに影響する可能性があります。独自トークンを用いたペアは表面上の利回りが高くなりますが、その他のユーザーが独自トークンを売却するための受け皿にならなければならないという高いリスクが仕組みの側面にあるためです。

DALトークンの他にNFTを得る選択肢もありますが、NFTそのものに価値が出て金銭的な意味合いが出ないと、投機的にDALトークンの受取を選択する人が増えると思われます。

その他IDOプロジェクトとの違い

DAOLaunchはIDO(Initial DEX Offering: DEXを使った初期トークン販売)プラットフォームとしては後発です。そのため他のプラットフォームに対抗できる強みが必要になります。下図はDAOLaunchが公式ページに載せている比較表です。ここからDAOLaunchがアピールしている強みを分析していきます。

まずExit部分ですが、これはIDO後の上場を意味しています。通常はバイナンス(Binance)を始めとする中央集権取引所や、ユニスワップ(Uniswap)などのDEXで取り扱いが開始される必要があります。このような上場作業において、DAOLaunchではスマートコントラクトを活用して、自動的にオート・マーケット・メイカー(AMM:Auto Market Maker)にアップロードして取引を開始できるようになっています。また、IDO開始時にどの程度のトークンをロックするか、どの程度の枚数を上場させるか設定する事で、その後の作業を自動化しています。

そして、IDOの参加条件として、他のプラットフォームでは独自トークンの保有が必要ですが、DAOLaunchはDVC-NFTのVoting Powerになります。継続してDAOLaunchを利用している人にインセンティブがある形式です。

その他の大きな特徴としてはIBO(Initial Buyback Offering)です。これはVoting Powerを使った投票を行って最も票を獲得したプロジェクトは、DAOLaunch運営によるIDOで発行されたトークンの買い戻しとバーンを行う権利を得ることができます。利用者側はDAOLaunchに貢献することで、Voting Powerの蓄積とより良いトークンを購入する権利を得ることができ、プロジェクト側はVoting Powerを集めることでIBOの対象となりやすくなり、IDOで発行したトークンの価格を上げることができます。これによりプロジェクトとユーザーの両方を、DAOLaunch内に囲い込みができる仕組みになっています。

ここで重要になってくるのはDALトークンの価格を維持する設計です。Voting Powerを得るにはDALトークン本体やDALトークンをファーミングして得たLPをプールに預ける必要があります。DALトークンの価格が下がると売却するユーザーが増え、プールの維持も難しくなるため、DALトークンの価格をいかに維持させるかの施策が重要になっていくと思われます。

まとめ

日本人CEOのIDOプロジェクト「DAOLaunch」について考察を行いました。DAOLaunchは従来にない仕組みを持っており、非常に興味深いプロジェクトでしょう。DALトークンへの投資も含めて参加を検討される方は、IDOを行うプロジェクトが重要な点になってくると思われますので、よくチェックして参加すると良いかもしれません。

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