SDGsとブロックチェーン の取り組み「Regen Network」とは?

SDGsとブロックチェーン の取り組み「Regen Network」とは?

SDGsとブロックチェーン の取り組み「Regen Network」とは?

サステナビリティは、暗号資産の文脈でも非常に重要視されるようになってきました。今回はそのようなエコにまつわる「Regen Network」というプロジェクトを紹介します。

プロジェクトの背景にあるリジェネラティブ農業とは?

みなさんはリジェネラティブ農業についてご存知でしょうか? これはRegen Networkの背景にもあるコンセプトで、カタカナを使わずにいうと環境再生型農業と言い換えることもできます。これは農業を営むにあたって農地の環境を維持するだけでなく、その土地の土壌を改善・再生させる活動を指します。

国連食糧農業機関(FAO)によると、地球上の土壌のうち33%がすでに劣化しており、90%以上が2050年までに劣化する可能性があるとのことですが、これを解決するには数兆円ものコストがかかると言われています。気候変動などにも関連するこの問題を解決するため、営みをつづけながら環境を改善していくリジェネラティブ農業に注目が集まっています。

Regen Networkの概要

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Regen Networkは、土壌や海などの生態系が今どのような状態にあるのかをモニタリングし、状態を改善するポジティブな変化に対して報酬が出るようにすることで、地球環境の再生促進を目指すプロジェクトです。Regen Resitryのページからプロジェクト一覧を見てみると、地域やそこでの取り組みの種類、SDGsのどのような取り組みに貢献しているのか、どのような団体が取組んでいるのかなどを参照することができます

具体的には、このRegen Networkの取り組みに参加したい農園の人たちが、Regen registryにプロジェクトを登録し、カーボンクレジットなどのクレジット申請を行い、買い手にクレジットを売ることができます。各クレジットにはIDが割り当てられ、独立した第三者の認定を受けます。

このクレジットのやり取りにはRegen LedgerというCosmos SDKを用いた独自のブロックチェーンが使われており、この上でクレジットの発行、移転、モニタリングや認証の結果が記録されます。

ケーススタディ:カカオ農園

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具体的にこのプロジェクトがどのように稼働しているのか、エクアドルのカカオ農園エコ・カカオ(ECO Cacao)のケーススタディを見てみましょう。

試験的な取り組みとして行われているこのプロジェクトでは、「Imlak’esh Organics」や「Endorfin Foods」といったカリフォルニアの高級チョコレートブランドや、エクアドル・エスメラルダス地域の約120の農家からなる協同組合UOPRACAEとエコカカオがパートナーとして参加しています。

この試験的プロジェクトのパートナーである「Terra Genesis International」は、エコ・カカオがリジェネラティブ農業のトレーニングを行うことを手助けし、初のリジェネラティブカカオ認証の確立に向けて動いています。

このプロジェクトの背景にはチョコレートへの高い需要があります。この需要に応えるためにカカオだけを大量に単一栽培してしまうと、森林破壊や土壌悪化などを引き起こしてしまいますが、リジェネラティブな栽培を地元の農家が実行するにはそれなりのコストがかかる上、取り組んだところで何かに認定されるわけでもなく補償も受けられないことがよくあります。オーガニックやフェアトレードとは異なり、買い手に納得してプレミアムを支払ってもらうための仕組みもまだありません。

そのため、Regen Networkが提供するリモートセンシングに基づくアルゴリズムを用いて、エコカカオはカカオ農園における単一栽培と複数栽培の実施状況を検証し、生態系の健全性を高い精度でモニタリングしています。

次のステップとして、リジェネラティブ農業で栽培された高品質なカカオに対して、プロジェクトベースの資金のファンディングを目指します。Regen registryに登録して、モニタリングのデータをRegen Ledgerに記録し、透明性と真正性を保ちます。今後は熱帯雨林向けのカーボンオフセットの方法もつくり、ここから追加の資金を得られるようにすることも考えられています。

Regen Networkの運営チーム

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Regen Networkは2018年第2四半期に立ち上げられ、アメリカのマサチューセッツに拠点を置いています。

ウェブサイトにあるチームメンバーの紹介ページは並んでいる順番がランダムに見えますが、Regen NetworkとVITWITというAIやブロックチェーンに特化した企業の社員が名を連ねています。Regen NetworkチームのCxOのプロフィールは下記の通りです。

CTO:Aaron Craelius 
ソフトウェア開発の経験豊富で、C++とC#によるデスクトッププログラミング、バックエンドからフロントエンドまでのWeb開発、組み込みおよびFPGAなどの経験があります。環境保護主義者で地球とそこに住む人々のためにテクノロジーを活用する夢を叶えようとしている。

CIO:Christian Shearer
15年間、主に東南アジアの農家でエコロジー農業に携わってきた。Terra Genesis Internationalの共同設立者として、自然派製品ブランドと協力し、再生可能な供給システムの構築に向けた投資を支援。

CEO:Gregory Landua 
Regenerative Enterpriseの共著者であり、8-forms of Capital Frameworkの共同開発者でもあり、再生農業の実践者であり農家。Terra Genesis Internationalの共同設立者兼CEOとして、再生農業に取り組む組織のエコシステムの成長に貢献。

COO:Sara Johnstone 
テック系スタートアップで10年以上のストラテジーやエクセキューションの経験を持つ。マーケティング、オペレーション、コミュニティ管理、戦略、ビジネス開発などを担当。最近は再生ビジネスに関する知識を広げることに力を注いでいる。

REGENトークンについて

Regen Networkでは2021年4月にREGENというトークンが1億枚発行されており、ステーキングとユーティリティの機能を持っています。Regen Networkでの取引手数料はREGENで支払われ、ブロックチェーンに新しいエコクレジットクラスを作成するなどの特別なアクションを行う際には、REGENでの追加手数料が必要になります。初期発行分に加えてステーキング報酬として発行される分インフレーションします。

Regen Networkで行われる農園やクレジット購入企業の取り組みはRegen Ledgerによって支えられています。このRegen Ledgerはステーキングに参加するバリデータとデリゲート参加者たちによって安定して運用されており、stakefishなどの大手バリデータも参画しています。

詳細はこちら:https://ift.tt/pI19ZTd

まとめ

Regen Networkはまだ発展途上のプロジェクトですが、ブロックチェーン技術の特性を活かしながらリジェネラティブ農業という環境への取り組みを世界中で促していくための基盤作りに取り組んでいます。

運営チームも農業や環境問題への感度が高く、今後さらに多くの農家や農園を巻き込んでいくことができればリジェネラティブ農業で栽培されたものをブランド化し、地球環境も改善させていくことが期待できます。

参照:Regen Network
参照:Regen Registry Program Guide

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stakefish
この記事はstakefishからコンテンツ協力を得て提供しています。stakefishはRegen Networkのバリデータとなっておりユーザーはstakeifshにデリゲートすることが可能です。他にも、Ethereumをはじめとした様々なノード運用の実績を元にサービスを提供しており、ユーザーは秘密鍵を渡すことなくステーキングができます。stakefishによるステーキングサービスの詳細を知りたい方は是非下記のリンクをご参照ください。

参照:
https://stake.fish/ja/

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