5月の仮想通市場は停滞の1ヶ月、NFT市場でも取引低下

5月の仮想通市場は停滞の1ヶ月、NFT市場でも取引低下

5月の仮想通市場は停滞の1ヶ月、NFT市場でも取引低下

暗号資産(仮想通貨)メディアのザ・ブロック(The Block)によると、5月の仮想通貨市場は全般的に修正や調整が目立って伸び悩み、NFTマーケットプレイスでも取引活動の低下が見られました。

仮想通貨市場全般で弱気だた5月

ザ・ブロックのリサーチ・ディレクターを務めるラース(Lars)氏が自身のツイッターで、全般的に修正局面にあった5月の仮想通貨市場パフォーマンスについて報じました。主にオンチェーンの取引額変動、ステーブルコインの供給量、マイニング利益、NFT市場の動き、各種プラットフォーム間の取引額などのデータを分析しています。

まずオンチェーンの取引総額は、5.3%減少して1,960億ドル(約27兆2,000億円)になり、特にビットコイン(BTC)は13.3%と大幅に減少、一方イーサリアムは3.2%の増加となりました。

ステーブルコインも4.2%の下落を見せ、取引総額は4,646億ドル(約64兆9,000億円)となり、発行供給量も1.4%縮小して1,224億ドル(約16兆4,000億円)にとどまりました。その中でUSDTは市場シェアを68.2%に伸ばし、供給量は過去最高の835億ドル(約11兆6,000億円)を記録。それに反してUSDCは、市場シェアを22.2%も失っています。

ビットコインのマイニングでは、マイナーの利益が13.7%増加して9億1,660万ドル(約1,270億円)になった一方、イーサリアムのステーキング報酬は34.5%減少して1億5,720万ドル(約218億円)となりました。イーサリアムは2023年1月からデフレ傾向にあり、5月には204,576ETH(3.8億ドル=約527億円)がバーンされました。2021年8月にEIP-1559が実装されてから、トータルで336万ETH(97.6億ドル=約1兆3,500億円)がバーンされたことになります。

イーサリアムベースのNFTマーケットプレイスも、5月には大きな後退を見せ、1ヶ月の取引総額が6億5,200万ドル(約905億円)にまで48.7%も下落しました。驚嘆すべきは、NFT市場シェアにおいて新興のブラー(Blur)が、4ヶ月連続でオープンシー(OpenSea)を上回ったことです。これにより、ブラー・トークンのインセンティブが上がる可能性があります。

中央集権型取引所に関しては、正規のスポット取引額が23.2%も減少して、2020年11月以来の最低レベルに落ち込みました。市場シェアはバイナンス(Binance)が71%、コインベース(Coinbase)が8.7%、BTSEが5.1%、クラーケン(Kraken)が4.5%です。仮想通貨信託投資のグレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)は、1日あたりの平均取引額が38.2%も落ち込み、2019年12月以来最低の2,600万ドル(約36億円)となりました。

先物市場も減速傾向に

先物取引では、ビットコイン先物のポジション(未決済建玉)が2.9%わずかに上昇、同じくイーサリアムは5.7%の上昇。ビットコインの月間先物取引総額は15.3%減少して、7,785億ドル(約108兆円)となっています。

シカゴ・マーカンタイル(Chicago Mercantile)取引所のデータによると、ビットコイン先物のポジションは8.4%下がって18億5,000万ドル(約2,570億円)に、1日あたりの平均取引額も30.1%下がって12億2,000万ドル(約1,690億円)になっています。一方イーサリアムの先物は、月間取引額が24.3%減少して4,080億ドル(約56兆6,000億円)となり、市場全体での活動が低下しています。

オプション市場では、ビットコインのポジションが10.6%下落、イーサリアムは5.6%上昇しています。ただし月間のオプション取引額は、ビットコインが12%下がって168億ドル(約2兆3,300億円)、イーサリアムも8.5%下がって107億ドル(約1兆4,900億円)でした。

5月の仮想通貨市場動向をまとめると

各種のデータからは、この1ヶ月における仮想通貨市場のパフォーマンスが読み取れます。市場はさまざまな基準を通じた変動や調整から、全体的に修正局面にあることが分かります。

1つの重要なトレンドとしては、ビットコインのオンチェーン取引総額が13.3%も下がったことが挙げられます。これはビットコイン・ネットワーク上での、トランザクションの活動性が低下していることの表れでしょう。その反面イーサリアムは3.2%の上昇を見せており、トランザクションのパフォーマンス回復力が高いことを示しています。

仮想通貨エコシステムで重要な役割を演じるステーブルコインも、同様にオンチェーン取引総額の減少を見せています。全体的な供給量は1.4%縮小し、市場における循環供給量の減少を示しています。

参考
Data says crypto markets corrected in May, NFT market slow

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